ジャングル・ブック
初回鑑賞時の感想
同時期公開のターザンと何が違うの?一緒じゃん!みたいなコメントを、ネットで見かけたりします。
正直、今春まで、私もそう思っていました、ジャングルが題材なのは同じじゃん、と…。
※同時期に公開されたターザン:REBORNの感想
一言で言えば、ターザン:REBORNは「静」、そして本作品は「動」。
ターザンは、監督がデビット・イェーツなこともあり、色調が抑えられていたということもありますが、主題が「ジャングルで生きるターザン」というよりは、「ターザンとジェーンの愛と絆」であったと思います。
そして主演2人の演技も、抑えた中に感情を滲ませるような演技でした。
それに対して本作品は、まさに、溢れんばかりの生きる力、そしてジャングルの木々や動物たちの色彩。
主人公モーグリ以外のすべてがCGだなんて、意識する暇もないほどで、動物たちもそれぞれ生き生きと人生を謳歌している様子が映像から伝わってきます。
原作本にも敬意を払いつつ、うまくまとめて、老若男女すべてを楽しませられるエンターテイメントに仕上がっています。
私は個人的に3Dが苦手なので、2D字幕で観賞しましたが、IMAX3Dなら、信じがたいようなライブ感を感じられるのではないでしょうか?
しかしながら、2Dでも音や映像の迫力は十分に素晴らしく、満足出来るものでした。
あまりに僅かな出番にもかかわらず、妖しさで観客を魅了する蛇のカー役、スカーレット・ヨハンソン。
威厳と凶暴さを秘めたトラのシア・カーン役、イドリス・エルバ。
包み込むような優しさの母親オオカミ、ラクシャ役、ルピタ・ニョンゴ。
むき出しの権力欲でモーグリを狙う、老獪な大猿キング・ルーイ役、クリストファー・ウォーケン。
陽気で、森でひとりぼっちとなったモーグリの心の支えとなるクマのバルー役、ビル・マーレイ。
時に厳しく、しかしあたたかくモーグリを見守る黒ヒョウ、バギーラ役、ベン・キングスレー。
名優たちの声の演技も素晴らしいものでした。
IMAX3Dにて、2回目鑑賞後の追記
3D映画が公開され始めた当初の経験から、これまでずっと、3D映画を敬遠してきました。
しかしながら、本作品の3D版の評価がとても良いこと、そして2D字幕版の鑑賞時に、「これをIMAX 3Dで観たなら、どんな迫力だろうか?」と感じたので、IMAX 3D字幕版で鑑賞して来ました。
結論から言うと、素晴らしいの一言。
想像以上の迫力に、IMAXの謳い文句ではありませんが、映画を「観ている」というより「入り込み、体験している」感覚になりました。
まさに自分が、主人公モーグリたちとともにジャングルに立っているような臨場感。
疾走感あふれるハラハラするシーンも、ほのぼのするシーンも、自分自身の体験のように感じられると言っても良いほど。
地響きのような動物たちの足音、うなり声、すべてが体にズシンと響きます。
映画を「体験する」ことになる性質上、すべての映画に3Dがマッチするとは思いませんが、この作品は本当に3D、特にIMAX 3Dで観る価値があったと思います。
凝ったエンドロールも必見。
The Jungle Book 2016年08月11日公開
アニメーション版。