スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

 

 

※ファーフロムホームおよびエンドゲームのネタバレを含みます。

 

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なんだこれ。面白すぎた。


MCUはアイアンマン(1)からずっと追ってきているけど、この数年は映画館に行けなくて世間の波に乗れなかったり、家の小さいテレビで見るので没入感がイマイチだったりという理由で、なんとなく自分の中で盛り下がっていたMCU熱。


エンドゲームについても、確かに歴史に残る名作だとは思うけど、どうしてもあの展開がつらくて、そしてキャプテンアメリカの選択にもなんだかモヤモヤして、実は一回見たきりだし、いまだに自分の中で消化できてない。


そんなわけで、エンドゲーム後の世界が舞台だと分かっていたファーフロムホームを見るのはすごく気が重かった。


でも作り手側はそんな私のような観客の気持ちはお見通しといった風情で、いまだにトニー・スタークの死を受け入れられないピーターを通して、エンドゲームを消化しきれない気持ちにそっと寄り添ってくれる。

そしてその上でピーターの葛藤と成長を真正面から描き、随所にユーモアも忘れない。

色んな人物に裏から手を回されて予定外の場所へ行きまくり、それでいて結局どの街の観光も楽しめていないピーターの同級生たち(と先生たち)の様子はかなり笑える。

さらに『ナイスガイズ』のアンガーリー・ライスが演じるベティとネッドのカップルの可愛さといったら!


ミステリオを演じたジェイク・ジレンホールの演技力にも、いつもながら驚嘆。

どことなく怪しい雰囲気だけど別の世界の人だからかな?と思わせてからの、自己犠牲も厭わず誠実で信頼できるヒーローとしての顔、そしてそこから一転、全力の胡散臭くて利己的な悪役。おふざけ的な雰囲気はすべて取っ払ったハードボイルドな最期…。


マリア・ヒル役のコビー・スマルダースは、いつももっともっと活躍を見せて!と思うんだけど、今回はドローンを撃ち落とすあのシーンだけで白ご飯100杯はいけますね。

アベンジャーズ1の冒頭で車で逃げるロキや洗脳されたホークアイを銃撃するシーンといい、銃を構える姿が本当にかっこいい。

 

あと個人的にイギリスが大好きなので、ロンドン塔が映って嬉しかった!いつかまた行けたらなあ。


シビルウォーではヒーローたちの活躍のかげで犠牲となっている一般市民たち(もちろん悪いのはヒーローたちの敵側なんだけど)の存在に光が当てられていて、その視点は常に忘れてはいけないし、私自身、昔から007を見るたびに「これ街を破壊しすぎでは?」と苦笑いすることも多かった。

けれどそれと同時に、画面上で荒唐無稽なまでに街が破壊され、ヒーローとその仲間だけが都合よく難を逃れる展開は、誤解を恐れず言えばとても面白い。

ファーフロムホームではミステリオによる街の破壊を存分に見せつつ、主役のスパイダーマンには街をほとんど破壊させることなく、むしろ自分のウェブでもって建物の崩壊を防がせる構成になっていて、ヒーロー自身の行動による犠牲者を出さずにおきつつ手に汗握るような大規模な破壊シーンも楽しませてくれたので、大満足。

(もっとも、ロンドンの街があそこまで破壊されたのは、ピーターが眼鏡をミステリオに渡してしまったせいとも言えるが…)


アイアンマンから託されたものを背負う覚悟がめばえ、めでたくMJとカップルになり、めでたしめでたし…からのエンドロール中での意図的に編集された映像とスパイダーマンの正体の暴露でまたびっくり。

やはりMCUからはまだまだ離れられそうにない。

 

 

 

 

トム・ホランド版スパイダーマン第一作のホームカミング、二回見たのになぜかあんまりノレなかったけど、ファーフロムホームを見た今ならまた違うかも。