X-MEN:ダークフェニックス
駄作だとは言いたくないし思いたくもないけれど、なんだろうこの見終わった後の虚無感は。
ちなみに私は映画のX-MENが大大大好きで(コミックは未読)、世間的に酷評されているファイナルデシジョンはあれはあれでと今となっては思っているし、アポカリプスについてはかなり好きでしょっちゅう見返している。
そんな私からしてもウーンと悩まざるを得ないこの映画。このキャストでなかったら目も当てられなかったのではないだろうか…。逆に言うとメインキャストの圧倒すぎる存在感と演技力が堪能できる作品かも。
ただ、最初に書いておくけど、良い部分ももちろんたくさんあった。ちょくちょくお兄さんづらしてるクイックシルバーが最高とか、謎のエリック島のやさぐれ感とか。
※以下、ネタバレがあります。
まず、開始直後から圧倒的にサブい感じの展開と映像が続くのがつらい。
これからどんなストーリーが繰り広げられるのかというワクワクした気持ちをさらに盛り上げるべきアヴァンタイトルで、えっこの映画もしかしてダメなやつ…という気持ちを抱かせられてしまったら、本編にのめり込めない。本編は9割方はサブいこともないのに、非常にもったいない。何様だって感じだが、アポカリプスの最後のあの超かっこいいシーンの続きがあのアヴァンタイトルだと思うと本当につらいのだ。
そして、これまでの経緯からしてもレイヴンとチャールズが対立するのは分かる。だからといって、彼女の死を契機に皆が奮起するみたいな展開にする必要があったのだろうか。こういうのはもうみんな見飽きているのでは?そもそも前作のアポカリプスでだって、死に瀕した彼女を見てストームが奮起していたよね。
というか新シリーズのレイヴンはチャールズとエリックのかすがいとしてストーリー上都合よく使われていつもつらい立場に置かれすぎているし、彼女の言うようにチャールズはいつも無傷だ。当然チャールズにも様々な葛藤はあるだろうしそれらを乗り越えての平穏な心なんだろうけど、レイヴン(やエリック)の置かれている立場と比べれば、圧倒的に無傷。
ここまで書いておいてなんだけど、本作を見るまではチャールズに対してここまで厳しい気持ちになることはなかったから、観客にチャールズのエゴに気づかせたうえで、最終的にはジーンがチャールズを許し、チャールズが何より大事にしているX-MENの面々や地球上のすべての人々を自己犠牲によって救うことの重みを強調するという意図だったんだろうか。
だって、今までからしてチャールズは理想主義が行き過ぎなとこは多々あったけど、この映画の冒頭の彼はいくらなんでも感じが悪すぎるもんね?
新シリーズはチャールズとエリックの友情と対立を軸にしてきたわけだから、前作で完結させたほうがよかったのではないかと思う。前作ラストでこれからは若い世代の時代という雰囲気にしていたわりに、今作も結局チャールズとエリックとミスティークの影が濃すぎて、中途半端というか、とっ散らかってしまった。
エリックの参加させられ方がすごく無理矢理なんだよね。エリックを加わらせるためにレイヴンが死ななければならなかったんじゃないかってくらい、ジーンの暴走には本来エリックは関係がなさすぎる。
映画全体のテーマはすごく良いしキャストも最高なんですけどね…とぶつぶつ言いつつも、私はきっとまた何度も見るのでしょう。
しかしここ最近の大作、ストーリーのために死なざるを得なかった感の強い女性が多すぎませんか?誰とは言いませんが。
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