トゥルーブラッド最終回について思うこと

※ファイナルシーズン(シーズン7)最終話についてネタバレしています。

※最後に2017/6/20の追記あり。

 

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数日前から、『ゲーム・オブ・スローンズ』で知られるHBO制作のヴァンパイアドラマ『トゥルーブラッド』を観はじめました。

 

まだシーズン2の中盤までしか観ていないのですが、ひょんなことで結末を知ってしまい、それ以来う〜〜〜ん…となってモヤモヤが募るのでここに吐き出してみます。

上記の通り、全体の中でまだ序盤までしか観ていない状況なので、今後考え方が変わる可能性はあります。あくまで現時点で思うこと、という位置付けです。

 

めちゃくちゃ雑なまとめ方ですが、最終回(のビルに関する部分)はだいたいこのような内容です。

ヴァンパイアを蝕んで死に至らせる病気に罹ったビルは、同じように病気に罹ったエリックがしたような、抗体を含む血液を摂取して病気を治すという選択をしないことを決意します。

そして死期の近いビルは、自分が生み出したヴァンパイアであり、いわば娘のような存在のジェシカの結婚式を望みます。(相手は人間のホイト)

望みのかなったビルは、スーキーの最後の妖精の力で自分の命を絶ち、スーキーには普通の人間になってほしいと願いますが、断られ、自殺のような形で杭を自分の胸に打ち込み、死んでしまいます。

  細かいニュアンスが違っていたらすみません。

 

さて、ここからが本題です。

 

制作側のコメントで、「死があるから生は輝く。命のサイクルの美しさを表したかった」みたいなコメントがあったんだけど、いや、そりゃそうなんですけど、このドラマってそんな当たり前のことを当たり前のストーリーで描くドラマじゃなくない!?

ヴァンパイアのみならず黒人やゲイへの差別や、カルトなんかについても綺麗事抜きでストーリーに盛りこむアグレッシブさや、エロ・グロ・暴力満載な中で突如として挿入される奇妙なファンタジー映像のアンバランスさなんかが、ファンを惹きつけてきた要素なのでは…?

 

それなのに、最後の最後になってそんな普通のこと言っちゃって綺麗にまとめようとするなんて、なんか酷い裏切りのように思えるのです。

もちろん、ただ単にビルとスーキーが結ばれるハッピーエンドが見たい、っていうのもありますよ。ファンとしてね。
でもそれ以上に、最終話の展開は、少なくともシーズン1・2からうかがえるこのドラマの方向性とはかけ離れているように思えるのです。


スーキーもヴァンパイアになってずっと連れ添うのがこのドラマにとってベストかどうかまでは分からないけど、異質なものをきちんと異質なものとして描き、そのうえでその存在を肯定してきたのに、最後に「ヴァンパイアのビルは、普通のお父さんみたいに娘の結婚式に出席してみたかったのです。そして普通の人のように死にました。」ってのはどうなの〜。

スーキーにとって、"普通の人"として家庭を持つことが本当に望んだ道なの?

結局のところ、ビルが昔の人で保守的な人だからスーキーにそうなってほしかった、ってだけに思えちゃう。

 

ビルの中に残る人間性こそがビルの行動原理であり、彼に人間性が残っていたからこそシーズン1でスーキーはビルに惹きつけられたってのはわかります。そしてその人間性ゆえに死を望んだのでしょう。そもそも彼は最初から一貫してヴァンパイアなんて忌むべきものだと言っていたし。

でも、じゃあ、シーズン1〜6までの出来事は、ビルの考え方には結局何の影響も及ぼさなかったってことなの?って思って、なんだか悲しくなるのです。

 

うーん、思いつくままに違和感を文章にしたけどまとまらない。もっとエピソードを追っていけば考えが変わって結末に納得できるのでしょうか。

また最終話まで観終えた暁にはこの記事を読み返して、その時点で思っていることを書きたいと思います。

 

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こんな普通な光景がこのドラマの締めで良いのでしょうか…。

 

 

*2017/6/20 追記*

 

とっくの昔に1周目は見終えていたのですが、追記をしていませんでした…。

やはり全シーズン通して観た後でも、この時の感想と変わることはありませんでした。未だに納得がいかず、モヤモヤする終わり方だなと思っています。

エリックとパムが新型トゥルーブラッドで大儲けしてしたたかに楽しく生きていること、スーキーがとりあえず幸せそうに見えることは本当に良かったなと思うのですが、ビルはなー…。

結局スーキーは、ビルの"最後の妖精の力を使ってビルを死なせ、スーキーは普通の人間になる"という案は拒みました。そりゃそうだよね。妖精の血をひいていることで大変な目にも遭ったけれど、スーキーにとって妖精の力はアイデンティティの一部だと思います。

ビルも神のような存在になったり笑、色々あったので、思うところもあったのでしょうが、スーキーの手で胸に杭を打ち込んで死ぬなんて、ちょっと自己満足すぎやしないかと思うんですよね…。

なんだかやっぱりモヤモヤします。

 

あともう1つモヤモヤが止まらないのが、サム!

何があってもあんなに店や街や友人を大事にしてきたのに、なんだか唐突に出て行きすぎじゃありませんか?あまりにも唐突すぎて、ビルの件以上に納得がいきません。なんかもう色々疲れちゃったのかな?(脚本家が!)みたいな適当さ。

 

とはいえ、最後の最後まで面白いドラマであったことは間違いないです。(だからこそ最終回にこんなに不満を言っているのです…。)ここまでハマるドラマはなかなかないです。ほんとに素晴らしいです。

グロいのが苦手な私でもぎりぎりなんとか観られるレベルのグロさだったので、保証はできませんが笑、是非是非一度は観ていただきたいドラマです。って、ここまで読んでいただいている方に未見の方がいらっしゃるのかわかりませんが。

 

主人公スーキー(アンナ・パキン)が絶妙にウザくて笑、でもなんだかんだ可愛いし応援してしまっていました。シーズン1のビル(アンナの夫でもあるスティーヴン・モイヤー)は、初見こそ魅力がいまいち分からなかったものの、話数が進むにつれ半端ない色気に完全にヤラれました。エリック(アレクサンダー・スカルスガルド)も、最初はピンとこなかったのですが、シーズン2に入ってぐんぐん内面的な魅力が見えてきて虜になりました。

登場人物みなそれぞれ本当に魅力的に描かれていたので、語り始めたら止まらないです。ただ、スーキーの親友タラだけは、最後まで好きになれませんでした…ほんとなんなのあの人(笑)