【一言感想】ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち
すっごく楽しみにしていた映画。想定していたよりもっと面白く、楽しかった!
ティム・バートン監督の言葉どおり、全編を通して「変わり者」への暖かい眼差しに満ちた映画です。ですが、それと同じくらい、「ごく普通の人」への愛にも満ち溢れています。
斜にかまえてみたり、ちょっと人とは違ったところがある。どうして周りの人は自分のことを理解してくれないんだろう?と煩悶することもある。けれど「変わり者」だと自認するにはあまりにも平凡すぎて、とりたてて特徴も特技もない自分。そんな自分がいたりしませんか?
この映画の主人公は、そんな少年です。
ダレるシーンは一切ありませんでした。説明的になりすぎず、テンポよくコンパクトにまとまっていたと思います。
ダークファンタジーながら、よく考えたらおどろおどろしいはずのシーンもポップに描かれているので怖さはなし。
バトル映画的な、悪いやつを派手にドンパチしてやっつけて観客がカタルシスを得るようなシーンはありませんが、この映画のトーンではそれがかえって良かった。
主人公以外の登場人物の服が1着しかなく、主人公でさえ2着くらいしかないんだけど、レトロでクラシカルな衣装ばかりでかなり気に入りました。
あとイギリスの小さな島とか波止場のまわりの、灰色の乾いた海の雰囲気…現地を思い出します。
"奇妙なこどもたち"を演じた役者たちが素晴らしいのは言うまでもないけれど、エヴァ・グリーンにはいつもながら感服。この人の魅力は、作品によって妖艶さと色気の混じった気品とをいい塩梅に調節出来るところだなあ、と。
欲をいえば、エヴァ・グリーン演じるミス・ペレグリンの勇姿をもっと拝んでみたかった。
こどもたちも、まあまあの人数が登場しますが、個性の薄い子が1人としていないのが素晴らしかったです。子役たちの中にはまったく演技経験のない子もいたそうで、演じやすいよう、出来るだけ本物のセットにこだわったとか。
体重が軽くて鉛の靴を履いてないと飛んで行っちゃうエマ役を演じてるエラ・パーネルは、アンジェリーナ・ジョリーの『マレフィセント』で、マレフィセントの少女時代を演じてた方です。
あの時はそんなに可愛いかなあ?て感じでしたが、今回はものすごく可愛くて、大きな瞳に吸い込まれてしまいそうでした。
マレフィセントのときとは、雰囲気がすごく変わったように見えます。
原作小説の『ハヤブサが守る家』。
公開当時、賛否両論あった気もするけれど個人的には大好きな『ダーク・シャドウ』。
なんせエヴァ・グリーンの妖艶さが爆発。(この映画では脱いでいないにもかかわらず!)