グランド・イリュージョン

ずばりそのものをネタバレしているわけではありませんが、まっさらな状態で1回目の鑑賞をなさりたい方は、お読みにならないことをお勧めいたします。

まず最初にことわっておくと、以下でぐだぐだと持論(妄想)を展開していますが、この映画はものすごく面白い映画です。変なことを考えず、サスペンス風味のイリュージョンムービーとしてシンプルに観ていただくのが一番いいと思います。

 

 

この作品しか観ていなかった時には、「最後はなんだか、作品の勢いも、マジックの規模も失速してしまったな~。最初らへんのマジックが派手過ぎたからかな?」という感想でした。それでも、フォーホースメンの面々のキャラクターのバランスが良くて、どんでん返しが面白くて、大好きな作品だったのです。

しかしながら、今日、2作目を映画館にて鑑賞してきて、ああ、この2作は「エゴ」の物語だったのだ、と、今更ながら気付きました。このキーワードは本作品(1作目)にてすでに、ある登場人物によって何度も示唆されているのにもかかわらず、です。

 

2作目での「エゴ」については、公開中であることもあり、このレビューでも、2作目のレビューでも触れませんが…。

 

一介のストリートマジシャンでしかなく、そのほとんどは互いに面識さえなかった四人が、謎の指令を受けて、大規模なマジックショー、しかも単なるマジックにとどまらず、FBIやインターポールにまで追われるようなマジック=犯罪をやってのける。彼らの懐にはほとんど何も入らないのに。

その動機はというと、彼らの「自分たちのマジックショーで、観客の度肝を抜きたい」「世界中に自分たちのマジックの実力を知らしめたい」「謎のマジック組織"ジ・アイ"に選ばれる実力の持ち主であるという自尊心」。つまりは、彼らそれぞれのエゴ。

そして、黒幕の人物=フォーホースメンへの指令者は、私怨を晴らすという目的を果たすためだけに、四人を利用している。これもまたエゴの為せる業。

 

派手なマジック演出と、特徴のある四人のマジシャンが目立つため、マジック映画、もしくは『オーシャンズ』シリーズのようなケイパームービーとカテゴライズされがちな本作品ですが、この作品(2作目も)は、黒幕の人物こそが主人公であり、その人物のエゴについての、1つの物語なのではないでしょうか?

 

NOW YOU SEE ME 2013年10月25日公開

 

2作目の感想。

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